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米国でリスクが高めのレバレッジド・ローンが増えているもよう

Sober Look: Failure of Guidance on Leveraged Lending resembles the War on Drugs

以下の画像は上記サイトにて引用されていたものを、こちらで勝手に英語だけ置き換えたものです。

 

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ご覧のように、EBITDA*1の6倍を超えるハイレバレッジのファイナンスが増えているそうです。

 

ちなみに、以下の報告は2010年10月の「第2回 社債市場の活性化に関する懇談会 第2部会」でゴールドマン・サックス証券(当時)小泉委員による報告からの抜粋です。(ただし、下記はLBOについて解説される部分。)

米国レバレッジド・ファイナンス市場の概観

(略)

 

米国の銀行は、少なくともローンのレバレッジについて保守的であり、過去13年間のレバレッジド・バイアウト(Leveraged Buyout/以下「LBO」という。)案件におけるDebt/EBITDA倍率の推移を見れば、概ね5倍程度であったものが、2008年のリーマン・ブラザーズ証券破綻時直前に限って、デットのトータルがDebt/EBITDA倍率の6倍を超えたことから、一番低い時の4倍から比べるとレバレッジが1.5倍程度膨らんだ事が分かる。現状としては、2010年の第3四半期で、そのDebt/EBITDA倍率が約5倍となっており、実態としては、過去20年間の平均値までレバレッジが戻ってきている状況である。

 

日本のレバレッジドローン市場の概観と実務

(略)

(4) デット/EBITDA倍率の推移<未引出部分(レボルバー/アクイジションライン等)も含む倍率のイメージ>〔2000年頃~現在まで〕
・ レバレッジドローンが出始めた 10 年前の頃は、レバレッジド・ファイナンス市場に参入する銀行も少なかった。ストラクチャーは、Debt/EBITDA 倍率で 3.5 倍程度のレバレッジであり、約5年で完済できる程度であったが、リーマン・ブラザーズ証券破綻まで、レバレッジドローンの倍率は次第に増加した。

・ 2005~2007 年の最盛期では、トータルでデットが7倍・8倍といった案件もマーケットに存在したが、リーマン・ブラザーズ証券破綻に伴い、そのような案件が消滅した。現在では、10 年前の状態にキャピタル・ストラクチャーが戻っている印象である。

 (引用元:[PDF]「第2回 社債市場の活性化に関する懇談会 第2部会」議事要旨 - 日本証券業協会 )

 

こうした状況に対し、アメリカの金融規制当局らは上昇するレバレッジと、低下するコベナンツの質に警鐘を鳴らしてきましたが、冒頭のブログエントリでは彼らが思うような成果を上げられていないことを「まるで”麻薬戦争”のように失敗している」と批判しています。

 

上に掲げた図は同エントリ内で引用されたドイツ銀行によるレポートからのものですが、そのエントリでは以下のレポートの表現を締めとして用いていますので、この記事でもそれを拙訳にて引用して締めに使わせていただきましょう。

こうしたトレンドに対してFRBが取れる最も重要なアクションとは、金融政策の正常化をむしろ早めることでしかない。
なぜなら、投資家がレバレッジド・ファイナンスに利回りを求める動機は結局のところ、他の市場で利ざやが取れないことが根っこにあるのだから。

 

参考

*1:税引前利益に支払利息と減価償却費を加算したもの。簡便的なキャッシュフローの指標として用いられるそう。:EBITDAとは 〜 exBuzzwords用語解説