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「成田」「柿原」…近くにこんな地名があったら気にかけたい 地すべり等の土砂災害危険地名リスト

【恐怖】広島で土砂崩れが起きた場所の昔の名前がとんでもなく恐ろしい・・・・・・ : スコールちゃんねる

上は 「とくダネ!」画像のキャプチャからですのでそのうち消すかもしれません。

 

広島の土石流、最大瞬間時速144キロか 衛星画像分析:朝日新聞デジタル

菅教授によると、土石流の時速は一般的に時速36キロ程度だが、阿武山中腹で起きた土石流は斜面が急で量が多く、瞬間的に2~4倍の時速72~144キロ程度が出ていた可能性があるという。

というように、今回の広島土石流被害ですが、その甚大な被害は皆様すでにご存知の通りと思います。

朝日新聞の記事にもありますように、「時速72km」ともなれば逃げ切れるはずもありませんし、それ以前に、われわれは家屋に逃げ込めば一定の安心感を得てしまうものです。

ですが、今回の災害を通してみても、その安心感が幻であることは間違いないようです。

 

こうした事実を再確認し、我々は自分の地域の防災をもう一度見つめなおす必要があるのですが、下のツイートはその手助けをしてくれるかもしれません。

 

これ、過去に何度も様々なところで言及されていますが、自分は初めて見たため、この機会に取り上げておく意義もあるのではないでしょうか。

ちなみに、ツイートで地名を挙げた画像の参照元は下記のPDFファイルです。

[PDF]地すべり災害を予防・軽減するための活動の手引き―住民の皆さんができる地すべり対策―農村振興局農村環境課:平成20年12月農林水産省

 

このPDFではわれわれが住む地域における古来から、もしくは現在得られる情報をもとに、土砂災害対策の手がかりを見つける術をいくつか紹介しています。

ここでは、当エントリのタイトルに掲げた「地名」というヒントからはじめて、いくつかその術を見ていきましょう。

地名を手がかりにする

①地すべりの状態を表したもの

大崩・崩田・崩沢・白崩・崩畑・蛇崩・杖立・青潰・久江ノ上・柆野(くいの)・津江抜間・ヌケ・のけ・抜田・青抜・抜崩・蛇抜(蛇がつくのは緩慢な動きを意味している。)・佐連・猿飼・佐礼谷・沢連・石ゾーリ・大草連・猿谷・小砂(こざれ)・砂子谷・大歩危・小歩危・法花津・波介(はげ)・犬の墓(せまい崩壊地)・欠の上・柿原・鍵掛・蔭田・影山・欠山・角間・落合・木落・走落・落倉・切通・奈切・大鍋割・立割・鳥越・天水越・乗越・巻山・裾巻・埋巻・飛山・飛士・一刎


②地すべりの結果生じた地形、谷の状況を表したもの
成・成田・竹成・魚成(うおなし)・堂ケ奈路・奈良尾・畑ヶ原(-なる)・大平・梨平・真萩平・南平(-びら)・久保・大窪・窪・窪田・久保田・梨窪・大草窪・水窪・溝尾・段・段地・深沢・赤沢・小荒沢・地獄谷・濁沢・大濁・小濁・浅谷・深谷・赤谷・五十谷(いそだに・いかだに)・老谷・大谷内・谷内田

③地すべり地の地質を表したもの
赤石・岩平・大石沢・石原・石谷・郷路谷・黒石(くれいし)・榑山・榑谷・久礼坂・暮畑・八栗・土ヶ谷・土路沢・シラベト・ヒド・白野・赤池・泥の木・泥沢・湯の沢

④地すべり地の田・畑の状況を表したもの
赤田・青田・挟田・棚田・谷内田・五反田・一枚田・久保田・榑田・深田・早稲田・餅田(粘土質)・田麦・千枚田・障子田・四十刈・五十刈・八斗・八斗蒔・白米平・白米(しらよね)・長畑・立畑・横畑・丸畑・切畑・越畑

⑤地すべり地の湿地及び湿地植物を表したもの
芹場・芹平・芹川原・菖蒲・菅久保・菅刈・菅沼・蒲生・蒲池・葭野・吉沢・吉越・吉原・葭尾・吉池・吉ヶ乎・萓場・大カヤ場・萓坂・真荻平・莇平・蓬平・田蓬・清水・涌池・溜井・池舟・月池

⑥その他

荒廃状況を表した:荒平山・砕木窪

移動状況を表した:出の脇・潜岩(くぐりいわ)・離山・突出・喰田

離村跡を示す:古屋敷・寺屋敷・ゴンボ屋敷

生育に適した作物を表す:味大豆・大豆谷・胡桃

所有地の紛争を表したと思われる「論平」「論地」「論田」があり、「切」「割」などの地名は土地の区別を表している場合がある。 

(出典:土地改良事業計画設計基準・計画「農地地すべり防止対策」基準書・技術書(平成16年3月)農林水産省農村振興局)

この他、北海道では過去の地すべりに関連するとみられる「ホラク」や「オトイネプ」といったアイヌ語に由来した地名が多く見られ、 これらの地名も活用することができるそうです。詳しくは上記PDFの35ページの表をご覧下さい。

言い伝え(伝承)を手がかりにする

 高知県・旧仁淀村
名野川の長坂の氏神様は、オオモト神社というが、昔長坂で山の谷の水が吹いて大災害が起こったので、その神様を祀ったという。・大山鎮めの神事は、山が変動したときに7月7夜祈って山の神を鎮めるものである。大きな災害があったときにやったのかもしれない。そのときに、榊の杭を地面に立てたものであろう。崩れそうなときに木杭を打ち込むのと関係があるのかもしれない。

何かを鎮めるために地面に「杭(や鉄、生木など)を打った」という伝承は、地すべり等の土砂災害をもとにした可能性があります。

秋田・大台

神社は昔から位置が変わらず、その周辺に家を建てると良い(神様がいるところに家を建てた)。人家周辺は特に被害はなく、山や田で崩れているようだ。

 この他に、「地元の人間は、わかっているから大きな切り盛り(土地の改変)などはしないが、都会から来た人は、造形したり家を建てたりして無茶なことをする(千葉・山入)」などの事例があるようです。

植生を手がかりにする

地下水位が高く湿った場所では下の画像(冒頭のPDFより)を代表とする「湿生植物」が生えているそうです。地すべり地は地下水が高く、湿った場所が多くあり、そのような場所は地すべりの発生が懸念されるそうです。

 

前兆現象を知っておくことも重要

この他にも「土砂災害の危険箇所は全国に52万箇所!土砂災害から身を守る3つのポイント:政府広報オンライン」では、土砂災害の前兆現象を以下のように紹介しています。

地名の例にも観測されたように、普段は濁らない水が濁ったりという現象などを確認したら、周囲に知らせることなども大切なことかもしれません。

 

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本稿では地名から地すべりを警戒する手段を取り上げましたが、当然ながら前もって各都道府県がその危険性を公表している地域を知ることは更に重要です。

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