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QUICK運営の上場企業の萌えキャラ化プロジェクトは「大財閥の怒りを買う」との指摘

いま、ネット系財閥ウォッチャーの間で密かに話題となっているのが、株式会社QUICKが運営する上場企業の擬人化プロジェクト「IRroid」である。

 
このプロジェクトは昨年から始まったNISA(少額投資非課税制度)でも、特に利用率の低い若者世代に投資を促す目的で「萌え」文化に着目し、QUICK社が上場会社ごとに美少女キャラクターを作っていくという試み。
また、QUICK社は日本経済新聞社グループの金融情報サービス会社で、証券・金融市場に関連する総合的なソリューションの提供を行っている。

QUICK社・チャンス部の大河内部長は「最近新規株式公開(IPO)した企業や、取り組んでいる事業が世間にあまり知られていない企業からはキャラクターを作ってほしいという声もある*1」と、プロジェクトが企業側にも好感を持たれていると説明する。

しかしながら、ある財閥ウォッチャーはこのキャラクターデザインにまで注目し、「この"IRroid"はいつか財閥系に怒られるんじゃないかなと思っています。」と語る。

その理由は、キャラクターデザインの一部に取り込まれた商標・社章だ。

「IRroid」のコンセプトからすれば、多少なり株式の銘柄を知っている人が各キャラクターだけを見て、どの上場会社を擬人化したものであるのかが何となく分かるというようなキャラクターデザインであることが望ましい。
その際には、社章や会社のロゴは是非ともデザインに盛り込みたい情報である。

しかしながら、歴史の長い大財閥においては、「商標がこういったサービスに使われるのは気に入らないと思いますね(前述の財閥ウォッチャー)」。


それだけではない。別の財閥ウォッチャーD氏は神妙な面持ちで、「IRroid」のキャラクターデザインの甘さについて「あまりにも上場会社への配慮と敬意が足らないのではないか」と指摘する。

下は新日鐵住金(5401)を擬人化させた「鉄 溶子(くろがね ようこ)」というキャラクター。
しかしながら鎧の胸部に描かれたのは住友の商標である「菱井桁」。同社は住友グループではない。

鉄 溶子 | IRroid
鉄 溶子 | IRroid

 

Sumitomo Group logo Black.svg
住友グループの「菱井桁」
Licensed under Public domain via ウィキメディア・コモンズ.

 

 「たとえば、三井グループでも『三井商号商標保全会』なるものまで作って、商号・商標の利用を厳しく管理しています。特に、住友では社名に”住友”の2文字を入れる・入れないの違いでも差別化を図っている。菱井桁についても同じように、彼らの基準からすれば(”住友”の使用すら許されていない)新日鐵住金のキャラクターにそれが使われていることは断固許されないはず。気づいた段階で大きな怒りを買う(D氏)。」

QUICK社もおそらくデザインは外注している*2のであろうが、大河内部長の説明をよそに、まだキャラクター化されていない上場企業の関係者からは、「日々、誤解を生まないようIR(情報開示)に努めている我々からすると、このやり方には納得いかない部分もある」と疑問の声も上がっている。

「IRroid」のようなコンセプトそのものはいずれ誰かがやるであろうことは予想されていたが、それは本当にQUICK社がやるべきことなのだろうか。
キャラクターは毎月増えていくとのことだが、プロジェクトの意図とは逆に、目立たないうちが華なのかもしれない。

ちなみに、QUICK社の所在地は日本橋三井タワーだという。*3

関連リンク

*1:http://www.nikkei.com/article/DGXLASFL14H1U_U4A810C1000000/

*2:サイト制作は面白法人カヤック

*3:ちなみに、筆者個人的には「○○グループ広報委員会」とか無駄なものまで作っていてこれだから大グループは…と呆れている。