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太陽光発電事業者が泣き寝入り!? 東京電力の工事先延ばしに「優越的地位の濫用」の疑い

再生可能エネルギー 太陽光発電

先日、太陽光発電に関する以下の記事を書いたところ、かなりの検索流入がありました。


相次ぐ電力会社の太陽光発電「回答保留」に衝撃走る - Not-So-News



それだけ関心が高い状況なのだと再認識したこともあり、引き続き当該分野でのヒアリングを続けて参りましたところ、これはあまりにも酷いのではないかという事例が耳に入ってしまいましたので、ちょっと書いてみます。
単なる噂であれば良いのですが、もし本当であればちょっとした社会問題となってもよいような気がします。

 
その問題とは、東京電力が太陽光発電事業者から系統連系にかかる工事費負担金の振込を受けた後で、東電側が工事を行う時期を最大で3年程度先延ばしにしているというものです。

一般に固定価格買取制度で発電事業を実施する場合は、経済産業大臣の認定とは別に、電力会社からの連系承諾を得ることが必要となっています。

用語解説「系統連系」

太陽光・風力発電やコージェネレーションなどの様々な分散電源の発電設備などを商用電力系統に接続することを言い、この発電設備が商用電力系統に並列する時点から解列する時点までの状態を系統連系運転と言います。

商用電力系統にこれらの発電設備が系統に無秩序に連系されると、系統を介して当該発電設備設置者以外の者へ与える影響が大きくなるとともに、系統における電力品質の維持、保守運用面での対応などの系統運用が従来にも増して困難化することが懸念されます。

そのため、発電設備を系統へ連系する際には、電力会社と発電設備設置者との間でその条件について十分に協議を行う必要が有り、この協議が円滑に行われるためには、系統連系に係る情報の透明性及び公平性が確保されていることが望ましいです。

https://www.jema-net.or.jp/Japanese/res/dispersed/data/yougo060.pdf

 
こうして行われた電力会社と発電設備設置者(太陽光発電事業者など)との協議ののちに、系統への連系を承諾された事業者には「連系承諾書」が交付され、その工事に必要となる工事費負担金に関する契約を結ぶこととなります。

◇当社設備を新たに設置または変更する必要がある場合は、工事費負担金契約を締結させていただく場合があります。
なお,工事費負担金確定前に損害実費弁償契約※を締結することにより,工事着手することは可能です。

※事業開始前にお申込を取り消し,当社で実施(準備を含む)した工事が不要な場合に,発生する損害をお支払いいただく契約のこと

事業開始までの概要フロー|企業情報|東京電力

 

http://i.gyazo.com/6e72f5d4c7c7588bd3803476e781a807.png

http://www.energia.co.jp/elec/seido/kaitori/pdf/kentou_jigyo_app.pdf

 
しかしながら、今回問題として取り上げているのは、上図の「入金確認」ののちに、東京電力が工事の開始を遅らせる旨の通知を行っているという話なのです。

ただでさえ取得予定の用地の太陽光事業利用に関する調査および資金調達の際に必要なデュー・デリジェンスのアドバイザリー手数料など、こうした手続きの前にもかなりの金額負担が必要となっている状況、かつ、そうした調査等や電力会社による系統接続検討の間に相当の時間がかかっている状況にもかかわらず、ここでさらに最大3年程度も事業開始が遅れるとなると、当事者らにとって事態はかなり深刻です。

しかも、この「最大3年程度」というアナウンスも、確定的なものではなく、さらなる遅延すら覚悟が必要とのこと。
東京電力側が預かっているこの負担金に関しては、通常であれば短期の預り金にすぎないため、現状利息も付されていないといいます。


それでは、ひとまず工事延長の間、この金額の一旦の返還を受けるべく東電に訴えればよいのではという疑問もぶつけてみたわけですが、そうした場合に後から同じ案件で再度認定を取得するのはかなり難しいそうなのです。

ちなみに東電が工事を遅らせる理由もこれまた何とも微妙な「原発事故の賠償問題の影響で、たとえ事業者側の工事費負担金を受け入れたとしても、当社分の負担を捻出することが難しい*1」というもの。
とはいえ、必要以上に取引先の資金を拘束することは、当事者の事情も勘案するとどうしても優越的地位の濫用であるとの印象を拭うことは出来ません。


現在話題となっている北海道・東北・四国・九州・沖縄の5電力による接続回答とは直接関係がない本件のような事例も、前月時点でも20件以上あるといい、1件あたりの工事費負担金もそれなりに大きいために、真実であれば個人的にもちょっと無視はできない事案であると言えます。

つきましては、本件に関する情報等をお持ちの皆さまにおかれましては何卒、Twitterまたは以下にメッセージ等をお寄せいただけますと幸いでございます。

 

情報提供先


その他の、急激に環境が厳しくなってきた太陽光周辺の状況に関しては、他にも何ともはやな事例があります。それらも引き続きウォッチして参ります。
ご関心があられましたら、当サイトの読者登録など、宜しくお願い申し上げます。

*1:文言はあくまでも伝聞