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「ネットニュースを悪用した誹謗中傷」 ビジネスジャーナルにその拡散力に見合う編集能力はあったのか

今月6日、サイゾーが運営する「ビジネスジャーナル」にて「低レベルすぎるウェブ制作会社に注意!客の要求無視、逆ギレして成果物全部削除&連絡拒絶」とする記事が掲載された。

 

biz-journal.jp

 
この記事を執筆したのはビジネスジャーナル側ではなく、新田龍氏(株式会社ヴィベアータ代表取締役・自称「ブラック企業アナリスト」)となっている。

当該記事は、「個人向けのスクール運営を手掛ける」A社が、株式会社エレファント・コミュニケーションズにウェブサイトのリニューアルを依頼し、エレファント側と契約を結んだ経緯を冒頭で紹介し、その後A社が陥ったと主張するトラブルを事細かに説明するもの。

そうしたトラブルを受けて今回のウェブサイトのリニューアル業務からは手を引くことを通告したエレファント側代表者のK氏は、A社側代表者のB氏へ「サーバーは空の状態に戻す」などと記載されたメールを送り、エレファント側が「即日、それまで進めていた新しいウェブサイトのデザインをすべて抹消した」のだという。

その記述の生々しさからか、この記事はFacebookで2,000以上、Twitterで1,000以上シェアされるに至り、掲載から3日経った現在でも「ビジネスジャーナル」内でアクセスランキング1位となっている。また、他の「ビジネスジャーナル」による記事と同様、外部の大手ポータルサイトにも転載された。


しかしながら、この記事には不可解な点がいくつか見受けられていた。まず第一に、エレファント側を取材した形跡が一切見られないことである。
それに加え、当該記事中ではエレファント側のみ社名をわざわざ公表しており、しかも元記事内ではご丁寧に、社名にエレファント側ホームページへのリンクがわざわざ付与されていたのである。

このように、当該記事は明らかにエレファント側の評判を落とす目的が一定程度うかがえるような内容であったため、はてなブックマーク上でも、その一方的すぎる内容に警戒するコメントがあった。


そしてエレファント側は本日9日、Facebook上に「ネットニュース等に掲載されました弊社を誹謗中傷する記事について」と題する代表者名義での文書を投稿。それへのリンクを同社サイトトップに掲示した。

その投稿では「記事の内容は、極めて一方的で事実とは大きくかけ離れているということ」、また、「そもそも記事の執筆者である「新田 龍/株式会社ヴィベアータ代表取締役、ブラック企業アナリスト」なる人物から取材の申込みを受けたことすらありません」と説明している。
また、その投稿によれば、A社とエレファント側との関係は、ある「極限的な状況」に至ったのだという。

弊社が、「カルマ清算コース」などのコースやワークショップを行っているセミナー運営会社(A社)から、サイト制作のご依頼を受け制作を行っていたことは事実です。納期が差し迫る中で、弊社としてはA社のイメージや要求にできる限り沿うように提案、修正対応をしておりましたが、A社の要求レベルは何パターンにもわたる画像の修正であり、それが連日昼夜を問わず電話、メール等によりなされるという状態にありました。


そのような状態は更にエスカレートし、納期間近のある時、A社から突然弊社従業員がA社に呼びつけられた上、2時間にわたり、A社の代表者であるB氏から以下のような感情的な暴言を浴びせ続けられるという事態にまで状況は悪化しておりました。

【ネットニュース等に掲載されました弊社を誹謗中傷する記事について】 - Facebook

 

こうして、「当時の状況に鑑みて、弊社としては従業員の安全やメンタルケアを確保することが必要であると判断」したと、エレファント側は契約の解消を通告した経緯を説明している。

この引用文中で、たった8文字とはいえ、その「A社」をほぼ特定できる情報を付加してくるところからも、エレファント側の今回の記事への怒りが伝わってくる。

実際に投稿中でも、「ネットニュースを悪用した弊社自身への誹謗中傷にエスカレートしてきていることについて弊社としては強い憤りを感じており」、エレファント側は「今後の状況に応じて、弊社としては適切な法的手段を講じることも検討」していると述べている。


なお、今回のエレファント側の「ネットニュースを悪用」という主張は、「ビジネスジャーナルが悪用された」という主張そのものである。
本件について、「ビジネスジャーナル」を運営するサイゾー側が何らかの対応をするのかは分からないが、自称「ブラック企業アナリスト」による一方的な非難記事を不十分な編集のもとに掲載した責任も、執筆者の責任と共に一定程度存在するのではないだろうか。