「クソ株特有の開示時間帯は20時以降」 独自調査結果を公表
「”クソ株”と呼ばれるような上場会社による適時開示は、その他の上場会社に比べると、特に20時以降に行われやすい」――。
Not-So-Newsは18日、そんな「クソ株特有の開示時間帯」について調査結果を発表した。
上場会社は東証の適時開示情報閲覧サービス「TDnet」などを通じて、一定の開示基準を満たす情報などを投資家に速やかに開示することとなっている。
投資家に対して「速やかに」開示されるべき情報を会社が認識しても、それが実際に外部に公表されるまでには、諸々の調整や市場への配慮を行った結果、一定程度の遅れは観測される。
ところが、専門家によれば「クソ株」と呼ばれる上場会社においては、そうした配慮とは別に、投資家があまり注目していない時間帯を狙って開示を行う傾向がみられるという。
そこで今回、Not-So-NewsではSNS上でアンケートを実施し、以下のような結果を得た。
「クソ株特有の開示時間帯」とは、おおむね以下のどれに該当すると思いますか。
— nots™ (@call_me_nots) 2016, 2月 17
※画像は上記投票ツイートの途中経過
なお、SNS上の投票機能ゆえサンプルに偏りはあるが、そもそもの質問が特殊であるため、調査者はこのバイアス自体はむしろ調査に適切と考えているようだ。
ここで、18時から22時の間をもう少し詳しく見るために、Not-So-Newsでは2月17日以前における直近10,000件の適時開示情報データを取得*1。
時間帯ごとのヒストグラムを作成したところ、適時開示の98.9%は午前9時から午後7時台の間になされていることが判明した。
10,000件から9~18時台のピークタイムを除いた177件のヒストグラム
これを受けてNot-So-Newsの広報担当者は、「『“適時”開示』であるため、合併・買収の話題や欧米時間でまとまるファイナンス案件などが遅い時間帯に開示されるのは一定程度当然である。しかし、通常の決算短信や、会社が前日以前に認識していた不祥事件に関する開示などで、20時以降に開示されているものを観察すると、開示姿勢が消極的であるとみられる会社によるものが確かに多いようだ。さらに、そのような開示が22時以降になされるとなると、ただならぬことが起きていたか、その会社自体が正常でないと外部から見られても仕方がない。」とコメントした。
今回の調査により、Not-So-News側は「20時以降を”クソ株開示ゴールデンタイム”と呼ぶことで、やましいことが特にない普通の上場会社のIR担当者には、19時以前の開示を促す空気を作っていきたい」としている。
*1:データ取得にあたっては「東証TDnet WEB-API by やのしん」を利用した