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研究テーマのキラキラネーム化? 大阪大「 #スーパー日本人 」が話題に

日本社会

昨夜、阪大の「COI拠点」ホームページが突如話題となり、今なおTwitter上で失笑がくすぶっている。

togetter.com



ここで「宗教法人大阪大学」と揶揄されているのは、同大のセンターオブイノベーション(COI)プログラムの内容。

昨日急に話題となっているが、プログラム自体は平成25年度から行われている。

 
このCOIプログラムとは、文部科学省および科学技術振興機構が主導する、「現在潜在している将来社会のニーズから導き出されるあるべき社会の姿、暮らしのあり方を設定し、このビジョンを基に10年後を見通した革新的な研究開発課題を特定した上で、既存分野・組織の壁を取り払い、基礎研究段階から実用化を目指した産学連携による研究開発を集中的に支援」するという取り組み。

「企業や大学だけでは実現できない革新的なイノベーションを産学連携で実現するとともに、革新的なイノベーションを創出するイノベーションプラットフォーム」を整備したいという目的からか、大学が設置する研究拠点のホームページや拠点側が提示する資料には、にわかにキャッチーさを含ませようという努力がにじみ出ており、それと「近未来感」がうまく絡み合った結果、人々を次々と困惑の表情に変えている。


何が人々を困惑させているのかは、とりあえず現場を見に行った方が早いだろう。

www.coistream.osaka-u.ac.jp

http://www.coistream.osaka-u.ac.jp/img/headlogo2_cr.jpg


人間力活性化によるスーパー日本人育成」。

お…。

脳マネジメントで潜在能力を発揮できるハピネス社会

お、おう…。

サイトを開いてからの10秒チャージで、まさかのお腹がいっぱいという事態に。


また、2014年のキックオフ・ミーティング資料(PDF)も話題となっていた。

 


こうなってくると、他の大学のCOIプログラムはどうなっているのだろうかが気になっては来ないだろうか。
さすがに阪大には敵わないが、以下にいくつか紹介してみよう。

京都大学COI「”しなやかほっこり社会”の実現」

京大COIの拠点サイトはこちら

COI STREAM「活力ある生涯のためのLast 5Xイノベーション」拠点【京都大学】


高齢者を「じじばば」と呼称するなどのキャッチーな表現が見られますが、こちらも「ハピネスな社会」という表現へのこだわりが。

その結果なのか何なのか分かりませんが、

人が生涯にわたって尊厳を持ち、社会の一員として充実感を得ながら挑戦できる「しなやかでほっこりした」社会を実現するため、コードレスな電力伝送と高度ICT技術が支える安心生活、センサーネットワーク、予防・先制医療、先端医療の領域において、大学と企業が専門分野と業種を超えて垂直・水平連携した研究開発を行います。

というそのコンセプト概要をサイト上で覗いてみますと、

www.coi.kyoto-u.ac.jp



…うーん、残念ながらスローガンとコンセプトがうまくマッチしているようには思えません。
無理にキャッチーにすると受け手の困惑度が増す実例となっていないでしょうか?

東工大COI「ハピネスセンサで個人の生体・行動の情報を取得し、空気を読む」

東工大COIは『「以心電心」ハピネス共創研究推進機構』という名称を冠しており、なぜこんなにも優秀な大学は一様に「ハピネス」に依存してしまうのかという研究テーマはどなたかに譲るとして、こちらは「実現の鍵となる研究開発テーマ」に以下の記載が見られます。

 

心と情をつなぐコミュニケーション
  • ハピネスセンサで個人の生体・行動の情報を取得し、空気(環境、アンハッピー)を読む

実現の鍵となる研究開発テーマ | 「以心電心」ハピネス共創研究推進機構 HAPIC


なんとも言えないフレーズのインパクトに、なんだか記憶喪失となった主人公が寝ている間にハピネスセンサを取り付けられて…から始まる映画とか出来そうな気がしますが、しませんか。そうですよね、次行きます。

名古屋大COI「高齢者が元気になる車社会(モビリティ社会)を」

愛知県の主要産業といえば自動車産業。
そこで、名大COIは「高齢者が元気になるモビリティ社会の確立」を拠点ビジョンに据えました。

「高齢者が【安全に、安心に、楽しく行こう】と思えるクルマ、 そのクルマに乗って【町にでよう】となる情報サービス、その町で【元気にいこう】と言える社会参画のしくみの社会実装をめざす」ということで、これまでの若干ふわふわ感漂うCOIラインナップに比べると、いささか地に足の着いたビジョンという印象を受けます。

ですが、このコンセプト…。

名古屋走り - Wikipedia


これを当地で実現するには相当にタフな印象を受けてしまう私なのでした。
重ねて書きますが、地域産業をコアに練られている、このビジョンはしっかりしている気がします。

 

慶應SFC「感性志向=”Kansei-oriented”」

http://coi.sfc.keio.ac.jp/

SFCのCOIでは、「感性とデジタル製造を直結し、生活者の創造性を拡張する」社会を「ファブ地球社会」と呼び、誰もが発想と思いを形にできる環境と社会を創造するため、「感性志向の」という意味の”Kansei-oriented”というフレーズを作出していらっしゃいます。

この中途半端な英語表記、こういった領域の資料でちょくちょく見かけませんかね?
あ、そういえば…。

 

 

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Osaka University COI Site

 

というわけで、阪大COIの破壊力が凄まじかったというお話でございました。