「超円高」時代の介入直前までの財務相フレーズを振り返る
本日、直近のドル安・円高を受けて、以下のような報道が出ていた。
外国為替市場で円が対ドルで急伸していることを受け、日本の財務省幹部は場合によっては必要な措置を取ると為替介入の可能性に言及し、行き過ぎた円高をけん制した。
ついに、懐かしいレートチェックに関する話も報道に出てきた頃であるため、ここで前回の「超円高」時の財務相発言を振り返っておきたいと思う。
必要な情報が補充され次第、適宜追記する。
前回、基本的には以下のように発言が進展していった。
「注視」フェーズ
2010/07/06 - 野田佳彦財務相「株式および外国為替市場の動向を注視していく」
「過度な変動」「一方的」フェーズ
2010/08/03 - 野田佳彦財務相「過度な変動、無秩序な動きは経済、金融の安定化に悪影響を及ぼすのが原則。そういう中で日々のマーケット動向を注意深く見守る」（衆院財務金融委員会）
2010/08/07 - 野田佳彦財務相「足元の動きはやや一方的と思う」
「断固たる措置」フェーズ
2010/08/18 - 野田佳彦財務相「必要な時は断固たる措置を取る」「介入はサプライズでないと意味ない」
（円高対策における）「日銀と連携」フェーズ
2010/08/20 - 野田佳彦財務相「日銀と緊密な連携を取る。来週、首相と経済・為替で協議する」
2010/08/24 - 野田佳彦財務相「（円が対ドル、対ユーロで買い進まれたことに関して）足元の動きは明らかに一方向に偏った動き」「介入についてはコメントしない」「為替動向に重大な関心を持ち、極めて注意深く見守る」（財務省内緊急会見）
2010/08/25 - 野田佳彦財務相「必要なときには適切な対応をとらなければいけないと思う」（財務省内会見）
2010/08/28 - 野田佳彦財務相「必要な時は断固たる措置を取る」（日中ハイレベル経済対話のため訪問中）
そして、単独介入へ
2010/09/15 - 【6年半ぶり為替単独介入】野田佳彦財務相「為替相場の過度な変動を抑制するため、さきほど為替介入を実施した」
2010/10/05 - 【日銀「包括的な金融緩和政策」導入、資産買入等の基金の創設を発表】
単独介入に対する国際社会へのご説明フェーズ
2010/10/08 - Ｇ７に対し、野田佳彦財務相「この間の（単独介入の）経緯は説明した」「過度な変動を抑制するという観点から介入を行ったということを説明し、長期に大規模に、一定の水準を目指して行うという介入ではないことを明確に説明した」「基本姿勢が同じであることは理解していただけたと思う」
国際社会の理解を得て、協調介入へ
2011/03/08 - 【Ｇ７が10年半ぶり協調介入】Ｇ７の電話会議について野田佳彦財務相「（Ｇ７が）過度な変動があるという認識を共有した」「日本が困難な今、Ｇ７当局が連帯して市場の安定に向け協調することの意義は極めて大きい」
過去最高の謎ワード「納得いくまで介入」
2011/10/31 - 安住淳財務相「市場がどう思おうと、私としては納得いくまで介入する」
ご参考
当時のドル円の動き
外国為替平衡操作の実施状況（月ベース：財務省発表／外為どっとコム)
2010年
対象期間 金額 2010年11月27日～2010年12月28日 0円 2010年10月28日～2010年11月26日 0円 2010年9月29日～2010年10月27日 0円 2010年8月30日～2010年9月28日 2兆1,249億円 2010年7月29日～2010年8月27日 0円 2010年6月29日～2010年7月28日 0円 2010年5月28日～2010年6月28日 0円 2010年4月28日～2010年5月27日 0円 2010年3月30日～2010年4月27日 0円 2010年2月25日～2010年3月29日 0円 2010年1月28日～2010年2月24日 0円 2011年
対象期間 金額 2011年11月29日～2011年12月28日 0円 2011年10月28日～2011年11月28日 9兆916億円 2011年9月29日～2011年10月27日 0円 2011年8月30日～2011年9月28日 0円 2011年7月28日～2011年8月29日 4兆5129億円 2011年6月29日～2011年7月27日 0円 2011年5月30日～2011年6月28日 0円 2011年4月27日～2011年5月27日 0円 2011年3月30日～2011年4月26日 0円 2011年2月25日～2011年3月29日 6,925億円 2011年1月28日～2011年2月24日 0円 2010年12月29日～2011年1月27日 0円
