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個人の仮想通貨取引への税務調査 従来にとらわれない調査手法が続々登場

先日、早くも「財産債務調書」に仮想通貨ビットコインを記載しなかったことでペナルティを受けた事例が出現したことを報じました。

nots.hatenablog.com

 

そして今度は、個人が仮想通貨売却収入を含めた確定申告を行った、わずか1ヵ月後に税務調査が入った際の事例がブログエントリとして上がっています。

dmjtmj-stock.com

 

税務調査官は仮想通貨取引に関して、どのような調査を行うのか?
割と先進的な事例ですので、ここで取り上げさせていただきます。


本件では「3月に申告して4月にいきなり税務調査」ということ、また税務署側も仮想通貨取引に関する勉強会を行ったりした直後ということで、手探り手探り行われています。
しかし、先進的な事例ともあって、かなり仮想通貨取引の調査に熱心な調査官らが押しかけたもようです。


そして肝心の調査内容は、取引所の取引履歴の提出は当然のこと、それに加えて調査官はちょっと驚きの行動をとっていました。
それがこちら。

 

驚いたのはスマホに入れているGoogleの2段階のアプリを見せるように求められたことです。任意という形でしたが、3人で圧をかけての実質強制開示。

 

2段階認証のラベルを一番下っ端っぽい人が全てメモしていました。まあ自分は海外の取引所は遊び程度の額しか入れていませんし、別に開示されても無問題でしたが、スマホの2段階認証を確認するというのは誰が思いついたか知りませんが、かなり賢いやり方だなと思います。

 

いくらPCの履歴やキャッシュを掃除しても、スマホの2段階認証を見れば、その人がどの取引所を使っているかが一目瞭然ですよね。。。

 


おー、なるほど。
2段階認証の履歴が分かれば、税務署が国内で捕捉しにくい、海外取引所での仮想通貨取引の有無の推測に大いに役立つのでしょう。

 

今後はフォレンジックなどを介しない簡便的な調査手法として、Googleの2段階認証アプリの提示要求がスタンダードに行われていく可能性すら感じさせます。

 

なお、仮想通貨の海外取引に関しては外為法上、居住者と非居住者との間で3,000万円相当額(仮想通貨によるものも含む)を超える支払又は支払の受領をした場合には、財務大臣への報告が必要となる旨を、18日に財務省が周知している点にも留意が必要です。

仮想通貨に関する外国為替及び外国貿易法に基づく報告について周知します : 財務省


以上、今回は個人の仮想通貨取引に関する税務調査手法について、非常に興味深い記事を取り上げさせていただきました。
本件では比較的インターネットや仮想通貨関連の勉強に熱心な調査官による調査とみられ、まだまだ調査のレベルには地域差・税務署差があると思われます。

 

これから本格化するとみられる仮想通貨関連の税務調査では、過去の調査にとらわれず、学習した調査官による新たな調査手法が現れてくるかもしれません。今後も要チェックです。