仮想通貨×ねずみ講ゲーム? 最高にヤバい組み合わせの「Fomo」が話題
さっそくタイトルが「お前は何を言っているんだ」状態ですが、直近の仮想通貨クラスタで静かな盛り上がりを見せているのが、謎ゲーム「FomoJP」。
何でも、仮想通貨をベットすると、先行者利益の獲得とチキンレースをミックスしたゲームを楽しめ、仮想通貨の配当あるいはジャックポットを得られるという、誰が聞いてもヤバいだろ感満載のゲームのようです。
カンタンにルール解説を以下のサイトを引用しますと、
- 参加するためにはKEYを購入し、同時に資金がプールされます
- 新たにプールされた資金から、KEY保有量に応じて配当がもらえる
- KEY価格は、参加者が増えれば増えるほど高くなっていく
- KEY購入者がいなくなった時、「最後の購入者」は大量に配当をもらえる(JackPot)
- JackPotまでは24時間カウントダウンですが、購入のたびに30秒プラスされる
だそうです。
別に多くの人にルールを知ってほしいわけではないので、詳細は述べませんが、ネットを見ている限り、多くの参加者がジャックポットを狙っていないように見えることから、このゲームはおおむね短期間バースト型のネズミ講(MLM)のようなもの、と考えることが出来そうです。「ポンジスキーム型DApps」と表現するサイトもありました。
とはいえMLMの場合、破綻時までには得するのが胴元に加え、ジャックポット獲得者である点は大きな違いで、本家「Fomo3D」ではすでに最初のラウンドが終了し、10,469.66イーサ(約3億2200万円)のジャックポット獲得者が現れているといいます。
Congratulations to https://t.co/Pz0fSVOLM6 #fomo3d #jackpot pic.twitter.com/CoSY3n7yu9
— TeamJUST (@PoWH3D) August 22, 2018
さて、肝心の違法性ですが、この運営業者が「仮想通貨交換業者である」と条文から指摘するのはなかなか難しいのではとは思ったのですが、本家「Fomo3D」サイトには、
- Instead of tokens, players purchase keys to the ICO funds held on the contract
(当サイト仮訳:)通常のICO (仮想通貨による資金調達)におけるトークンの代わりに、プレイヤーはICO 契約に基づくキー(鍵)を購入します。
とあることから、海外サイトから国内向けに提供されるICO と捉えるならば、Gackt さん周辺と同様の釘は刺され得るものと思います。(ただし運営主体は不明)
また、海外から日本向けに提供しているオンラインカジノと(一度仮想通貨を経由している面では異なるとはいえ、)何が異なるのかという点で観るならば、海外から日本向けに提供されたオンラインカジノをめぐっては、利用客だけでなくカジノサイトの決済代行会社を運営していた役員が逮捕されている事例があります。
海外のインターネットのカジノサイトで賭博をしたとして、京都府警は10日、賭博(単純賭博)の疑いで埼玉県越谷市の制御回路製作会社経営、****(65)▽大阪府吹田市の無職、****(36)▽埼玉県東松山市のグラフィックデザイナー、****(31)-の3容疑者を逮捕した。府警によると、無店舗型のオンラインカジノの個人利用客が逮捕されるのは全国初とみられる。
海外のカジノサイトを利用した賭博をめぐっては、千葉県警が2月、客に賭博をさせたとして、サイトの決済代行会社役員の男ら2人を常習賭博容疑で初摘発している。
しかしながら、今回は仮想通貨イーサリアムを経由していることから、個人客の追跡・関係者の把握は非常に困難といえるかもしれません。
資金がどこかに供託されているわけでもなく、危険であることには変わりがありませんが、日本でも最初のラウンドでジャックポット金額がすでに約700イーサ(8/23日時点。日本円にして2100万円超)に達しており、早速の過熱ぶりを見せつけている「Fomo」ゲーム。
当局はどう立ち向かっていくのか、興味を持って行く末を眺めたいと思います。