アブラハムHD、無理筋「フィンテック」論を引っさげ社名変更
「いつかはゆかし」騒動で某やまもと方面で一躍有名となったアブラハム・ホールディングスは18日、グループならびに各社の商号を、大幅に変更したことを発表した。
昨年にも高橋篤史氏による「「いつかはゆかし」のアブラハム、営業再開も再び逸脱行為発覚で頓挫 変わらぬ虚偽体質 | ビジネスジャーナル」という記事も話題となっており、一部には今回の動きを「社名ロンダリング」と揶揄する声もある。
社名ロンダリングですね、わかります アブラハム・グループ・ホールディングス→あゆみトラスト・ホールディングス アブラハム・プライベートバンク→ヘッジファンドダイレクト pic.twitter.com/LZcYUJ8C7S
— 全力2階建 (@kabumatome) 2016, 1月 19
「アブラハム」グループという呼称を「あゆみトラスト」グループと変更し、その他ホールディングスならびに子会社商号は以下の通り。
各位
グループ商号並びにグループ各社の一部商号変更について
このたび、以下の通り、グループ商号並びにグループ各社の一部商号変更を致しましたことをお知らせ致します。
旧商号 新商号 アブラハム グループ → あゆみトラスト グループ アブラハム・グループ・ホールディングス株式会社 → あゆみトラスト・ホールディングス株式会社 アブラハム・プライベートバンク株式会社 → ヘッジファンドダイレクト株式会社
(関東財務局長(金商)532号)アブラハム・ウェルスメディア株式会社 → ゆかしウェルスメディア株式会社 アブラハム・ウェルスマネジメント株式会社
(関東財務局長(金仲)714号)→ 変更ありません
*役員構成・資本金・住所・電話番号等に関して変更はございません。
グループ商号並びにグループ各社の一部商号変更について | あゆみトラスト・ホールディングス株式会社【公式】|社会的課題をビジネスで解決する。個人をエンパワーメントする。
…と、発表はしたものの、グループ子会社の商号変更がホームページに反映されていない会社も存在し、そこからアブラハムじゃなかった、あゆみトラストHDの中で力を入れている事業と、そうでない事業が見て取れる格好となっている。
また、昨年「アブラハム、上場準備マジで進めてるもよう だけど… - Not-So-News」で紹介した「採用ページ」は、ウェブ上に残ってはいるものの、あゆみトラストHDのホームページ上からはリンクがされていない。
「日本最大級のフィンテックベンチャーのオンラインマーケティング! - ヘッジファンドダイレクト株式会社の求人 - Wantedly」にみられるように、公に採用活動の一切を中断しているわけではないようだが、以前にグループの採用ページで募集をしていた上場準備責任者・金融コンサルタント・社内システム部門IT担当者、そして新卒の社長秘書及び庶務営業アシスタント求人は表面上は無くなっている格好だ。
(2016/01/21 22:55 追記)
コメントにて教えていただきましたが、採用ページはグループHPではなく、現在グループ内で最も力を入れているとみられるヘッジファンドダイレクト社のHP上に表示されておりました。
新たに「ファンド審査職」などが追加されているものの、応募フォームでの表記は21日現在、「アブラハム・グループ」のままです。
なお個人的には、社名変更よりも、今回のホームページ更新で目を引いたことがある。
それは同社が今回の社名変更と同時に、急に自らの事業領域を「フィンテック領域」と呼びだしたことである。
あゆみトラスト・ホールディングス株式会社は、あゆみトラスト グループの持株会社で、三井物産出身の高岡壮一郎が2005年に前身法人で創業。資本金5億4,760万円。フィンテック領域にて、関東財務局登録 金融法人2社、メディア事業法人1社を擁する。2012年7月期に連結業績にて東証一部上場基準利益を達成後、2014年に東証一部上場企業、2015年に著名エンジェルから出資を受けた。
ん?この会社に「フィンテック」要素なんてあったか??
その答えはどうやら、絶妙のタイミングで*1「経済界」ウェブ版に上がった高岡社長のインタビューにあるらしいのでそちらも見てみる。
いま世界で急速に進んでいるフィンテック革命は、何もスマホやロボットの話では無い。それは単なる手段に過ぎない。フィンテックの本質は、従来であれば大企業が独占的に受領していた利益を、個人が取り戻すという社会的なムーブメントだ。
( ゚д゚)ポポカーン
そういう意図で自らの事業領域を「フィンテック領域」と呼んでいるのであれば、図々しいを超えた形容詞で同社を表現したい衝動に駆られてしまいますが、こういったところに着目すると、「あー、増資したくてしょうがない状況なんだろうなあ…」と。
前述のリンク先で同社が「上場準備責任者」を募集していることを取り上げましたが、こういうところを拝見するに、まだまだ乗り越えなければならない調達ステージは少なくないのではと思ってしまいますよね。
もちろん、こちらも上場なんて望んでいないわけですが。
ちなみにオチなんですが、この人が強すぎてSEO的には厳しい戦いとなっていたことをご報告して締めたいと思います。
*1:ステマ度という指標があれば限りなく高い数値が出そう