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【燃費不正】エコカー減税取消分は三菱自側が負担 消費者は税務代理の提出が必要

三菱自動車は15日、「eKシリーズ損害賠償の税務上(所得税・法人税等)の取扱いに関するお問い合わせについて」という資料を公表した。

eKシリーズ損害賠償の税務上(所得税・法人税等)の取扱いに関するお問い合わせについて | MITSUBISHI MOTORS JAPAN


燃費表示における一連の不正に対して支払われる損害賠償金の処理について、税務上のQ&Aを掲載しており、その文章からは想定以上に三菱自側に事務負担が発生していることが読み取れる内容となっている。

 
同資料は、納税義務者(三菱自製の自動車を購入した消費者)が負担していた自動車諸税について、三菱自の燃費偽装により実質的な納付不足となっていることに、「お客様に代わり、責任を持って税金の不足額を納付」すると改めて明記。

後日、税務署及び市区町村から「納税の告知書」が郵送されるものの、納付の必要はないとした。
また、差額の納付を三菱自側が行った場合、納税義務者側に領収証等は一切残らないため、「不足額を納付させていただいた後、別途、ご連絡させていただきます」としている。


一方で、今回の自動車諸税の差額負担は、結果的に三菱自による「肩代わり納付」の格好となるため、想定されていたよりも、その事務負担および事務処理の外注費用は増えそうだ。

同資料では問5として、『自動車取得税について「税務代理権限証書」の提出が求められていますが、この「税務代理権限証書」とは何ですか。必ず提出しなければならないものですか。 』に対する回答が記載されている。


それによれば、「今回の燃費不正を原因として、自動車取得税について納付不足額が生じる場合には、修正申告の手続きが必要となる」が、その本来の修正申告者は納税義務者である。
しかも、法人としての三菱自動車は税理士法の規定上、その修正申告を代行することはできない。

そこで三菱自動車が指定する税理士に納税義務者の税務を代理させるにあたって必要となるのが、税務代理権限証書である。三菱自はこの書面を「委任状」と補記した上で、それへの押印および返送を呼びかけている。

したがって、「自動車取得税修正申告書」は各都道府県で様式が異なっているが、その提出等の雑務に対応するのは社外の税理士(法人含む)になると思われる。

 

 【参考】大阪府ピピっとネット > 自動車取得税の修正申告f:id:call_me_nots:20160719171205p:plain

 
このように、税務面のみをみても、一般消費者の事務を代行するということは、なかなかの負担であることが、三菱自動車側が公表した今回の文書から垣間見えた。

なお、三菱自側は今回の賠償金について、個人の事業所得および法人所得を除き、個人の所得税上は「原則非課税」としている。