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日経平均21年ぶり高値 ネット投資家は懐かしの「ならず者」トレーダーに大失笑

Rogue Trader.

"rogue"とは、「不正」や「ならず者」を意味する英語である。

 

1995年、イギリスで最古のマーチャント・バンクであったベアリングス銀行が破綻した。
その原因の一つとなったのは、当時輝かしい成績で、ベアリングス銀行全体の収益の10%を稼ぎ出していた著名トレーダー、ニック・リーソン主導による巨額「不正」取引の数々だった。

 

リーソンはシンガポール国際金融取引所(SIMEX)におけるベアリングズの先物取引部門責任者に抜擢され、学閥や家柄に関係なく実力でのし上がれるアジア市場に夢を見出した。

シンガポールに赴任して1年経つ頃には日経平均と日本国債のデリバティブ取引を中心に、1,000万ポンド以上、ベアリングズ銀行の利益の一割を稼ぎ出すまでになっていた。

 

しかしこのときすでに、部下の注文ミスなどを不正処理して、架空取引口座 (Error Account) 88888番に入金し、それを隠蔽するために内規で禁じられていた自己売買を繰り返し、かえって損失を増大させていった。

ニック・リーソン - Wikipedia

 

 

"Rogue Trader"は、そんな彼の手記のタイトル。
同名で映画化もされており、日本でも「私がベアリングズ銀行をつぶした」「マネートレーダー銀行崩壊(映画文庫)」と翻訳され、多くの人にも知られている。

 

これらの書籍・映画作品などからは結果的に7百万ポンド以上もの大金を得た彼だが、隠し続けたベアリングス銀行での架空口座:Error Account 88888 から最終的に明るみに出たのは、阪神・淡路大震災などでの日本市場の暴落を経て、リーソンが溜め込んでいた損失が8億27百万ポンドにも及ぶということだった。

 

"I’m sorry." と書き残し、国外逃亡まで決行したリーソンだったが、結局シンガポールに送還され、1999年までチャンギ刑務所に服役した。

 


そんな彼本人のツイッターが、なぜか2017年のきょう、日経平均21年ぶり高値に沸く投資家らの間で話題になっている。

 

 

「今日の日経平均が1996年以降の最高値だってことは、これって私のブレークイーブンポイントに遠くないんじゃないかな。
ここまで待ってくれてれば良かったのにね!!」

 


この期に及んで何言ってんだよお前www

記念すべき日となった総選挙ラリーを様々な気持ちで見つめる投資家たちを、ニック・リーソンへの温かい失笑が包んだのでした。

 

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