白熱「割引率はマイナスになり得るのか」 なぜいま議論?その意味とは?【追記3あり】
3月10日、ASBJ(企業会計基準委員会)は「議事概要別紙(審議事項(4)マイナス金利に関する会計上の論点への対応について)」を公表しました。
国債の利回りがマイナスである場合の退職給付債務を評価する際に用いる「割引率」について、”平成28年3月決算においては、割引率として用いる利回りについて、マイナスとなっている利回りをそのまま利用する方法とゼロを下限とする方法のいずれの方法を用いても、現時点では妨げられないものと考えられる”と暫定的な判断を示しています。
詳しくは当エントリ最下部の「追記②」を参照ください。
「マイナス」金利世界の「割引率」はマイナスとなるのか。
そんな議論が企業財務の現場で話題となっています。
日本の会計基準をつくる企業会計基準委員会(ASBJ)は、日銀によるマイナス金利導入を受け、退職給付会計の「割引率」の計算にマイナス金利の適用を認めるか検討する。企業は長期国債の利回りを基に割引率を決めるが、利回りがマイナスになった場合の計算法を示していなかった。企業会計の現場で戸惑いが広がっており、ASBJとして方針を示す。
きょうは、ここで何が論点となっているのかを、「割引率」に馴染みのない方にもざっくりと眺められる場を設けられればと思い、エントリにしてみました。
CONTENTS
- 「マイナス金利」と終価
- 「マイナス金利」と現価
- 退職給付債務について
- 日銀版「マイナス金利政策(NIRP)」の登場
- 会計基準における「割引率」
- 「割引率」と「時間価値」
- 追記:ASBJの暫定的な判断
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