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マクドナルド「名前募集バーガー」は不当表示? プチ炎上で指摘相次ぐ

日本マクドナルドは22日、賞金142万3500円をかけて募っていた「名前募集バーガー」の名称を、「北のいいとこ牛っと(ぎゅっと)バーガー」に決定したと発表した。


この企画は、そのバーガーの仮称を「北海道産ほくほくポテトとチェダーチーズに焦がし醤油風味の特製オニオンソースが効いたジューシービーフバーガー」として先行販売し、その後消費者からの公募によりその名称を正式決定するというもので、名称募集段階ではSNS等でも話題となり、一定程度の広告効果もあったと思われる。

 

しかしながら、仮称の段階では問題視されなかったものの、正式名称となった「北のいいとこ牛っとバーガー」では「総体的に北海道産のもの、あるいは北海道産ビーフを使用していると誤認させる名称ではないか」との指摘が数多くネット上でみられるようになった。

ここで、日本マクドナルドはホームページ上で同バーガーの原産地表示を公開しており、その確認のため以下に引用する。

バンズ
主要原料:
小麦粉/アメリカ、カナダ、オーストラリア
最終加工国:
日本
ビーフパティ
主要原料:
牛肉/オーストラリア、ニュージーランド
最終加工国:
日本
北海道チーズ(原料チーズ中の北海道産チーズ割合60%以上)
主要原料:
チーズ/日本、ニュージーランド、オーストラリア
最終加工国:
日本
スライスベーコン
主要原料:
豚肉/アメリカ、デンマーク
最終加工国:
アメリカ、日本
オニオンソース(フィリング)
主要原料:
玉ねぎ/日本、ニュージーランド、中国、フランス
最終加工国:
日本
北海道ポテトフィリング
主要原料:
じゃがいも/日本
最終加工国:
日本
※2016年2月17日付の情報です。

www.mcdonalds.co.jp



ここで北海道産と確認できるものは「北海道ポテトフィリング」と「北海道チーズ(原料チーズ中の北海道産チーズ割合60%以上)」の2食材。
その他にオニオンソースに使われる玉ねぎの一部が国産(ニュージーランド、中国、フランス産含む)ではあるが、メインとなる牛肉含めベーコンは外国産、しかもその牛肉は「北」でもない南半球のオーストラリア、ニュージーランド産と明記されている。


”「北のいいとこ牛っとバーガー」という名称のハンバーガーの牛肉が北海道産でも国産でもない。”

この事実が本日ネット上で指摘されると、ひとたびプチ炎上状態となり、一部には「景品表示法*1に違反するのでは」との指摘すらも見受けられた。

そこで、さらに消費者庁のホームページより以下を引用する。

Q43
店内・店頭のメニュー上の表示に景品表示法は適用されるのですか。

A.
    景品表示法が適用される表示は、容器・包装上のものだけではなく、パンフレット、説明書面、ポスター、看板、インターネットをはじめとして、あらゆるものに及びます。店内・店頭のメニュー上の表示、陳列物、説明も表示に該当し、景品表示法の規制対象です。
    メニュー上の表示について、景品表示法に基づいて排除命令を行った事例としては、ホテルのレストランにおいて、実際に使用した大部分の肉は前沢牛ではなかった料理に、料理名として「特選前沢牛サーロインステーキのグリエ ポテトニョッキとミトロン」と表示していた事案、和食のファミリーレストランにおいて、実際には、ほうれん草と水菜のみ長崎県に所在する生産者が有機肥料を用いて栽培していたものを用いていたにもかかわらず、葉野菜を用いる料理には、長崎県に所在する、同県からエコファームに認定された農場で有機肥料を使用して低農薬で栽培したものを用いたかのように、料理の説明としてメニューに表示していた事案などがあります。

表示対策課 - 消費者庁



Q44
料理名に景品表示法は適用されるのですか。

A.
    料理名は、料理についての表示そのものであり、当然、景品表示法の適用対象となります。
    料理名について、景品表示法に基づいて排除命令を行った事例としては、Q43で示した、ホテルのレストランにおいて「特選前沢牛サーロインステーキ・・・」と表示した事案のほかにも、居酒屋において、実際には馬肉に馬油を注入する加工を行った肉を使用した料理に「国産霜降り馬刺し」、「トロ馬刺し」等と表示していた事案などがあります。

表示対策課 - 消費者庁

 

この他、景品表示法に関する消費者庁の資料によれば『和牛でないものを「和牛」と表示したり、国産でないものを「国産」と表示したりすると、景品表示法上問題となります』と指摘がなされているが、「北のいいとこ牛っとバーガー」は「北海道産ビーフ」を想起させるものではないのだろうか。

日本マクドナルド社内に「法務ガバナンス本部」が存在し、通常では当然にメニューの名称やキャンペーン内容等のリーガルチェックもそうした部署で行われていたはずであるが、今回のこの名称はゴーサインが出ていたのであろうか。

この名称が問題となるか否かは「一般消費者」目線により決まるものであるから、今回のプチ炎上が大きくなることがあれば、実際に問題視される可能性も十分に出てくるだろう。

「名前募集バーガー」という企画自体はこれまでのところ、一定程度の成功を見せていると思われるが、その一応の主目的である「名称の決定」に落とし穴があったとなれば本末転倒である。
万が一撤回となった場合の賞金支払いの有無も含めて、本事例について興味をもつポイントは少なくない。

逆にこのスキームがOKであれば、事業者目線に立てばいろいろと考えないこともないわけだが。

*1:「不当景品類及び不当表示防止法」