「牛丼を12週間毎日食べても健康リスクは増加しない」? 話題の研究論文がネット公開
同志社大学大学院生命医科学研究科糖化ストレス研究センターと京都文教短期大学食物栄養学科、吉野家ホールディングスなど*1により行われた、牛丼の常食が健康面への影響を研究した論文がオンライン上で6月末より公表されている。
論文 | 論文/著書/講演 | 同志社大学 生命医科学部 アンチエイジングリサーチセンター/糖化ストレス研究センター
平成27年12月9日に吉野家HDが行った簡易版の情報開示「~「吉野家の牛丼の具」の長期連続摂取に関する研究~」では「実際に吉野家の『冷凍牛丼の具』を食事とともに12週間摂取していただいた健常成人男女および、血糖値の高めな方々においても、摂取前と後でなんら健康リスクが増加する兆しは見られなかった」と報告していたが、その原論文にあたる。
試験食品「冷凍牛丼の具(加熱調理)」を12週間連続して毎日必ず1食摂取した時の身体への影響と安全性について検証する目的で行われ、対象は成人男女24名(男性12名、女性12名、年齢44.8±8.5歳)。
観察期間中の試験食品摂取率は94%以上で、脱落者はなかったという。
報告によれば、被験者らの体重および体脂肪率は、試験品の摂取期間中に有意な変化はなかった。
血圧については、収縮期血圧に変化なく、拡張期血圧は摂取4週後には前値70.4±9.5mmHgから4.7%増加したが、8および12週後の値は前値と有意差がなかった。
その他の健康指標は原論文[PDF]を参照。
結論として、「今回の試験条件では、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の原因となる体重、体脂肪率、血圧、TG、LDL-C、FPGの有意な変動や有害事象は認められなかった」としている。
なお、本研究にあたり、調査主体は主に吉野家HDによる支援を受けていることは留意する必要がある。
*1:実施:チヨダパラメディカルケアクリニック(東京都千代田区)