Not-So-News

ニュースにならないニュースを配信

前川喜平氏 発掘された12年前の「笑ってはいけない議事録」が話題に

前川喜平前文部科学事務次官の閉会中審査での答弁が話題となる一方で、彼の初等中等教育局初等中等教育企画課長時代(12年前)の「笑ってはいけない議事録」が注目を集めている。

規制改革・民間開放推進会議 - 会議情報 - 第14回 教育WG 配布資料

 

これは平成17年に規制改革・民間開放推進会議の教育ワーキング・グループ(WG)が文科省に対して、「現在の教員養成・免許制度が、教員としての適格性をどのように保証しているのか」などについて尋ねた際のものだが、当時の初等中等教育企画課長である前川喜平氏は、詭弁と開き直りを繰り返し、ついには委員から「黙りなさい」と発言を打ち切られる始末に。
その議事概要が、すさまじい出来になっているというのだ。

 

この残念な答弁を、彼の能力問題にすべて帰すべきものなのか、彼として不可抗力に抗って省益を守ろうとした結果の産物なのかは各人が判断すればよいことだが、文部科学省側として現行の教員免許制度をほじくり返されること、また、そのための議論をするためのデータを示すことすらも断固回避したかったことは容易に伺える。

それらを考慮すると大変味わい深くなるが、7ページから単に読むだけでも楽しめる、そんな議事録の一部をここで堪能していただこう。

 
議事概要とはいえども、最初にはWGから提示された質問に対しての一応の省側による説明が行われるため、全編で28ページという資料になっている。他の省とは違い、このWGの議事録PDF はコピペ不可のスキャン画像だ。

 

実際に質疑というカタチで味わい深くなってくるのは7ページ目からとなるが、そこからしばらくの質疑の要点をまず以下にまとめる。「→」が省側の回答要旨で、「●」がそれを受けてのWG側の反応だ。
まず省側は戸渡 教職員課長(当時)が対応している。

 

【●WGによるヒアリング項目1】現在の教員養成・免許制度が、教員としての適格性をどのように判断しているのか、貴省の見解をご教示いただきたい。

 

→学業における単位取得で判断。

 

●学業における単位取得が教員の適格性とどう関係するのか?

 

→教育の意義とか教職の役割に関する科目や、それ以外にもいろいろな科目を全体を通じて養成してもらう。
その単位取得と合わせて、その単位取得についての履修計画書指導だとか、教職員についての理解を深めるための指導においても採用として行われている。
そこを前提として、要件としては単位修得のみを課している。

 

●その効果測定をやったり、実際のデータはある?

 

→ない。

 

●教員養成の在り方や、(教員)免許の在り方を考えるときには、具体的にどういう効果を誰に対して持っているのか・教職課程と単位認定によって、どのような教員としての資質が身に付いたのかということについて、ある程度統計的手法でもって検定できるような形で調査することはできるか。

 

→一般的に多くの教員を採用・養成していく際にどのようなシステムがより効果的かというシステムの設計という点について言えば、大学における教員の養成というものが先進国においても共通して行われている教員養成システムである。

 

福井秀夫(政策研究大学院大学教授)専門委員「我々は日本の教育制度を議論しているわけだが、その養成制度や免許制度の効果測定について、実証的で科学的なものを一度も見聞きしたことがない。それは文科省の責任できちんと調べていただくべきものだと思う。

 

こうしたやり取りが行われた後から前川氏が参戦し、議論(?)は一気に芳醇な香りを放ち始める。
それでは、いよいよ実際の議事概要をご覧いただこう。

赤色が省側、青色がWG委員側だ。MCバトルと思って読むと気がラクだと思う。

 

 f:id:call_me_nots:20170726112129p:plain

 

いきなり飛びかかってくる前川氏。

読み終わった後から思えば、せっかく次の質問に行ってくれようとしたのに、「お前が出てこなきゃよかったのに」感が満載となるのだが、WG側の福井専門委員の「文科省の責任できちんと調べていただくべきものだと思う」という発言にスイッチが入ってしまったのだろうか。

 

f:id:call_me_nots:20170726112520p:plain

f:id:call_me_nots:20170726112538p:plain

 

「現行の教員免許に文句があるんなら言え」に対し、「文句があるかどうかを判断する材料(エビデンス)がどこにもないのに、よく現行が最善だと言えるな」という真っ当な返しだが、もう何を期待しても、議論はここから先にこれ以上進まない。

 

f:id:call_me_nots:20170726113015p:plain

f:id:call_me_nots:20170726113737p:plain

f:id:call_me_nots:20170726113805p:plain

f:id:call_me_nots:20170726113820p:plain

 

あまりに議論が噛み合わず、ついには福井専門委員側に議事を進行される事態に。

ここまでで議事概要は12ページとなっているが、実はこの後残り16頁に渡っても、ここで展開されてきたのと同じような議論の進まなさが繰り返されるのだ。

 

そして最終的に前川氏が委員側から呆れられ、発言と議事そのものを制止される過程は、相当の暇と興味がある方だけ読んでみるといいかもしれない。だって、会議は踊ってるだけなんだもの。

【PDF】第14回教育WG議事録(文部科学省ヒアリング)

最後に本論とは外れるが、こうした資料ですらも残っていることは、行政運営上最も大事なことである。公文書がカンタンに破棄される時代だからこそ、その事実は改めて噛み締めておきたい。