民泊ビジネス「 #Airbnb 」、パリ市で旅行者税の徴収を開始と発表 一方、日本政府は違法営業の実態を調査中
部屋が余っている物件所有者と、それを一時的に宿泊先として利用したい旅行者らをマッチングするサービスとして世界的に有名な「Airbnb」。
日本においては、今年に入って特にネガティブな話題に事欠かないサービスとなっています。
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日本における同サービスの利用については「(個人の提供する宿泊サービスが)旅館業法に触れるか否かは、個別の事案ごとに判断すべき(福岡県警総務部長)」とされながらも、
(福岡)県は、「Airbnb」などを通じた個人による空室賃貸について「自宅の建物を活用する場合であっても、宿泊料とみなすことができる対価を得て人を宿泊させる業を営む者については、旅館業法の許可を取得する必要がある」とした。
旅館業法では、「宿泊料を受けて人を宿泊させる営業(旅館業)」を行う場合、都道府県知事等の許可が必要であるとしている。県の答弁で、許可を取得する場合は、個人の住宅であっても旅館業法の示す基準をクリアする必要があることが明確化した。
無許可営業などの旅館業法違反事例について県は、「直ちに保健所による立ち入り検査を行い、厳正に対処する」との方針を示した。
という見解が今年、福岡県側から示される状況となっています。
そんな中、Airbnbが10月1日以降、パリにおけるすべての宿泊について、1人1泊当たり0.83ユーロを徴収し、パリ市に納付するという発表が本日ありました。
Airbnbのフランス担当者は「世界で最もルームシェアが行われているパリ市は、この方法で我々のコミュニティからより多くの歳入を得ることが出来るだろう。」と述べています。
東京都では、近年のアジアをはじめとする旅行客の増加により、都内のホテルや旅館の宿泊者に独自課税している宿泊税(ホテル税)の額が過去最高(2014年度:16.2億円)となっていますが、当然ながら東京都は、Airbnb経由の宿泊者からの宿泊税の徴収は行っていません。
オリンピックを控え、旅行客らの宿泊先不足に関する懸念も抱かれておりますが、政府も国家戦略特区として以下の施策を検討中であり、
政府は国家戦略特区の指定地域で、アパートやマンションの空き部屋を外国人観光客向けの宿泊施設として使えるようにする。東京都・神奈川県・千葉県の首都圏や大阪府・京都府・兵庫県の関西圏が対象になる見込みだ。外国人観光客が安い宿泊費で日本に長く滞在できるようにする狙い。
政府・行政がAirbnbを合法的なものとして扱うことはまだまだ考えられませんが、Airbnbがパリ市で行っていくこの取り組みをはじめ、数ある批判を交わす諸施策により、行政とこのサービスとの距離感がさらに縮まっていくのかが注目されます。
しかしながら、ここへ来て日本でのAirbnb利用の多くが、旅館業法で必要な営業許可を得ていない実態を政府が調査するとの報道が出てまいりました。
月400万円以上稼ぐケースもあり、関連事業も次々と登場している。ただ、多くは旅館業法で必要な営業許可を得ておらず、政府は実態調査に乗り出した。
記事中では以下のような、より具体的な事例が述べられています。
- ある男性は京都の住宅のほかに賃貸マンションの部屋などをそれぞれの家主から了解を得て借りて登録している。多い時で月400万円以上を稼いだ
- ある代行会社の社長は「投資家から1億円をエアビーで増やしてくれ」と頼まれるも、人手不足のため断った。「態勢さえ整えば高い利益を出す自信がある」という
- 有志でお金を出し合ってホストに登録したサラリーマンや、分譲マンションの販売を急きょ中止してエアビーに登録する準備を進めている業者も
- 不動産業界からは「日本人に部屋を貸している場合ではない」「マンション1棟を丸ごと登録したい」などの声も
しかし記事中では肝心の「実態調査」の内容が、登録者にとってポジティブなのかネガティブなものなのかはほとんど触れていません。
同日の毎日新聞の別の記事では『観光立国を目指す政府・与党内には「民泊」に期待する声もある』との表現もあり、調査の内容は「民泊」時代の到来を見据えてのものである可能性もありそうです。
ひょっとすると近い将来、日本でも宿泊税をAirbnbが源泉徴収するようになるのかもしれませんね。
とまあ、それはそれとして、得た不動産収入はちゃんと確定申告しましょう。
*1:ただし、冒頭の語句挿入は筆者