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「適時開示アワード2014」というイベントで司会を担当します

出演情報 日本経済 株式 経営・会計

企業に投資するにあたっては、その企業によるタイムリーかつ適切な情報開示を求めたくなるものです。

そこで、上場企業等に提出が義務づけられている「適時開示書類」というものがあります。

証券取引所は上場会社の責務として、一定の事由が発生した場合などにその情報を開示させることで、取引所を利用する人々からの信頼性を確保しようとしているわけです。

 
しかしながら、日々たくさんの出来事が会社を襲います。
したがって、その中には、その出来事を外部に知らせる義務が生じることがしばしばあります。

一般的に会社側の立場として、良い情報は多くの人に知ってほしいし、悪い情報は隠したいものです。
それでも、証券取引所が定める事象が起きたら、上場企業は「適時開示書類」の提出を通じて一般社会にその事象の発生を明らかにする必要があるのです。


そんな「適時開示書類」ですが、投資家を除くと、一般的に目にする機会はほとんど無いと言ってもよいのではないでしょうか。
たとえば、就職活動をする学生さんの中で、企業の適時開示情報まで見ているという方はおそらく1割もいないのではないでしょうか。

まあそりゃそうですよね。
自分のときもそうでしたし、普通は以下にありますように大局的にアニュアル・レポートから観るべきですしね。


IR情報で読み解く企業研究 | JOBRASS 新卒


そもそも適時開示見たって、書いてあることを掴むことも難しいことだって往々にしてあると思うんです。


でもね、あるんですよ。
一度読むと"思わず記憶に残ってしまう"「適時開示書類」が。

そんな”「記憶に残る」適時開示書類をランキング付けしてもっと多くの人に適時開示情報に触れてもらいたい”というイベントが、「適時開示アワード」です。


昨年初めて行われたのですが、これが一部マニア界隈で大反響。*1

せっかくだから去年の開示いくつか紹介しますね。


昨年の大賞に輝いたのは、今年無事に上場廃止となったインスパイアー株式会社の「平成26年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)(PDF)


適時開示アワード2013 大賞 | Disclosure Award 2013(適時開示アワード)


これって普通はただ単に決算内容の要点をまとめた書類にすぎないわけですが、なぜ大賞に選ばれたのかというと、

「当社の創業からの事業であるIT事業については、昨年から事業の縮小を開始し、リストラを進めた結果、営業スタッフがいなくなり新たな営業が行えない状況になっております。」(P.4より)

やっぱり、上場廃止間際*2の会社の有り様を簡潔に伝えるということはこんなに面白いのだなという分かりやすさでしょうね。
「リストラを進めた結果、営業スタッフがいなくなり新たな営業が行えない」というのは本当に名文だと思います。
現預金が「32千円」というのを見ても、会計ソフトは弥生会計使ってるのかな感が出てて素晴らしいですね。


その他の昨年のランキングや解説は


適時開示アワード2013 最終結果 | Disclosure Award 2013(適時開示アワード)


でご覧いただけますが、最後にトップ5外で1つ、第6位の東急建設「単元株式数の変更および定款一部変更に関するお知らせ」に触れておこうと思います。


東証は上場会社に対し、売買単位を100株または1,000株に集約するよう要請を続けていますが、同社は昨年、それに「単元株式数を10株から100株に変更」することで対応しました。

普通は少数株主から文句が出ないように、株式分割をするはずなんですよね。
だって、いままで50株だけ持っていた個人は「単元株式数を10株から100株に変更」されてしまうと、それらを市場で売ることが出来なくなるわけですからね。

さてその方法をとった理由なんですが、単元株数を100株に変更するにあたり、株式分割をしてしまうと株価が数十円となってしまい、「企業イメージが大きく損なわれるおそれ」から分割案を拒否してるんですね。

当時の2階建さんの記事が以下です。


東急建設が株価2桁だとボロ株みたいで企業イメージ悪化するからむしろ株主の45%を切り捨てると発表 : 市況かぶ全力2階建

これにより、全体からすれば議決権総数の約0.5%とはいえ、株主総数でいえば45%が該当することになってしまう単元「未満」株については、株主総会における議決権の行使は認められないわけですから、新たに「単元未満」株主となってしまう側からすれば、そりゃあ「お前の業績が良ければこんなことになってねえのにこの仕打ちかよ」と怒りは沸きますわあねえ。


そして今年の「適時開示アワード」でも、この例のように、小さな株主をナメてるんじゃないかという事例が寄せられております。(投票はすでに終了しています)


ノミネート適時開示 | Disclosure Award 2014(適時開示アワード)


また、直近で上場を果たそうという企業の経営者にも、その感じが見受けられる方々がいらっしゃいます。

ただ、こうした適時開示書類に目を通していないがために、会社からナメられていることにも気付かない株主もそれなりにいるであろうことはまあそうなのかもしれません。

最近はたとえIT企業の株主総会や一般株主向け決算説明会でも、ご高齢の方が非常に多いと聞きます。
株主総会で暴れない範囲で怒るのも分かりますが、その前に一応は会社の情報発信にも十分に目を向けておきたいところです。


というわけで、繰り返しになりますが、この「適時開示アワード」は、”「記憶に残る」適時開示書類をランキング付けしてもっと多くの人に適時開示情報に触れてもらいたい”という思いを持って実施しております。

昨年やってみて、当イベントに「適時開示はエンターテイメントになり得ることを証明した」という評価をくれた方もいらっしゃいまして、これは今年もやらなきゃなと、また「昨年よりも楽しくしなきゃな」ということで特に今回「適時開示アワード2014」では発表を12月13日に生放送で行おうということになりました。


適時開示アワード2014 on Ustream - Disclosure Award 2014(適時開示アワード)



そして題記の通り、私がこの生放送の司会を務めさせていただきます。(もちろん、全員顔出しはありません)
とはいいましても、かなり濃いゲスト陣に来ていただけることになりましたので、特に私がコメント等をすることなく(特に投資家の皆さまにおいては)面白い番組になるのではと考えております。

当日、残念ながら見逃してしまう方につきましても、上のサイト内のどこかに一応の対応策を置いておりますので探してみていただけますと幸いです。

また、Twitter*3や当ブログのコメント欄などにいただいたコメントなども生放送中にどんどん紹介していきたいと思いますので、当日の生放送をどうぞ宜しくお願い申し上げます。
(昨年同様、最終結果は生放送以外にWebサイト内にも掲出いたします。)

*1:え?ああ。仰るとおり、アワードの趣旨に沿ってないですね。

*2:同社は今年、無事上場廃止となりました。

*3:ハッシュタグ「 #適時開示アワード 」